○イエシロアリ等の母島への侵入防止に関する条例

平成10年3月26日

条例第5号

(目的)

第1条 この条例は、父島等で保管又は育成した材木及び植栽用樹木等の母島への持ち込みを規制し、父島等に生息するイエシロアリ等を、その生息が確認されていない母島へ「持ち込まない」、「持ち込ませない」ことを堅持することにより、母島におけるイエシロアリ等の蔓延を未然に防ぎ、もつて村民の財産及び生産物への被害発生の防止と、環境の保全を図ることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 母島 母島列島をいう。

(2) 父島 父島列島をいう。

(3) イエシロアリ等 イエシロアリ、ヤマトシロアリ等母島に生息が確認されていないシロアリ類をいう。

(4) 羽アリ 4月から6月頃の夕刻に群飛するイエシロアリ等の有翅虫をいう。

(5) 蟻道及び食痕 イエシロアリ等による蟻道、盛り土及び食痕等特有な生息徴候をいう。

(6) 事業者 事業活動を行うすべての者をいう。

(7) 村民等 村内に居住し、若しくは滞在し、又は村内を通過する者をいう。

(持ち込みの禁止)

第3条 何人も、イエシロアリ等を母島に持ち込んではならない。

(村長の責務)

第4条 村長は、第1条の目的を達成するために、母島へのイエシロアリ等の侵入防止についての施策を総合的に実施しなければならない。

(事業者及び村民等の義務)

第5条 事業者及び村民等は、母島へのあらゆる貨物の輸送に際し、イエシロアリ等の生息、蟻道及び食痕又は羽アリの付着がないことを自ら点検しなければならない。

2 事業者及び村民等は、父島において保管又は育成された材木及び植栽用樹木等を、母島に持ち込んではならない。

3 事業者及び村民等は、本土から母島へ材木及び植栽用樹木等を輸送する際は、父島で荷解き及び保管をせずに、母島へ輸送するよう努めなければならない。

4 事業者及び村民等は、イエシロアリの生息する地域において保管又は育成された植栽用樹木等は、母島に持ち込んではならない。

5 事業者及び村民等は、第2項及び第3項の規定に関わらず、父島から母島へ材木を輸送する場合は、あらかじめ村長に届出て、全責任を負うことを誓約し、かつ、小笠原村職員の確認を得なければならない。

6 前項の規定に関わらず、4月1日から7月31日の間は父島から母島への材木の輸送は禁止する。

7 事業者及び村民等は、第1項第3項及び第5項の規定に基づいて輸送されたにも関わらず、母島に輸送された貨物からイエシロアリ等の生息、蟻道及び食痕又は羽アリの付着が確認された場合は、速やかに村長に届出て指示を受け、その指示に従わなければならない。

8 事業者及び村民等は、海上運送用木製パレツトを個人の敷地内又は工事現場等に放置せずに、速やかに海上運送業者に返却しなければならない。

(海上運送業者の義務)

第6条 海上運送を業とする者は、母島への貨物の海上運送の際に使用する木製パレツトについて、薬剤注入等の防除処理を施し、イエシロアリ等が付着しないように務めなければならない。

2 海上運送を業とする者は、事業者及び村民等に対し、海上運送用木製パレツトの速やかな返却を求めなければならない。

(制止)

第7条 小笠原村職員は、第5条第2項第3項第4項及び第6項の規定に違反する行為を確認したときは、当該行為に対してその貨物の輸送の禁止を指示することができる。

2 小笠原村職員は、前項の指示をするときは、その身分を示す証票を提示しなければならない。

(協力)

第8条 何人も、母島に輸送されたあらゆる貨物に関し、イエシロアリ等の生息、蟻道及び食痕又は羽アリの付着を発見したときは、村長に通報するよう努めるものとする。

(指導勧告)

第9条 村長は、この条例の目的を達成するために、事業者及び村民等に対して、必要な指導又は勧告をすることができる。

(罰則)

第10条 第5条第5項及び第7項に規定する義務を怠つた者又は第7条第1項に規定する小笠原村職員の指示に従わなかつた者は、10万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第11条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、当該法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、当該法人又は人に対して前条の罰金刑に処する。

(委任)

第12条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関して必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成10年4月1日から施行する。

イエシロアリ等の母島への侵入防止に関する条例

平成10年3月26日 条例第5号

(平成10年3月26日施行)