○台風17号に係る小笠原村救難緊急措置条例
昭和58年12月16日
条例第14号
(目的)
第1条 この条例は、昭和58年11月の台風17号により家屋等に被害を受けた小笠原村(以下「村」という。)の住民に対し、救済資金(以下「資金」という。)を貸し付けること等により、速やかに生活の立て直しを図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「家屋」とは、主として人の居住の用に供する家屋(その一部を事務所、店舗、工場その他、人の居住の用以外の用に供するものを含み、共同住宅及び寄宿舎を除く。)をいう。
(1) 昭和58年11月7日現在、村において住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に規定する住民基本台帳に記載されている者(以下「住民を有する」という。)であること。
(2) 規則で定める貸付けを受ける資金の償還能力を有する者であること。
(3) 東京都及び住宅金融公庫等金融機関の設けた被災者救済のための制度融資借入れの申請を行つた者であること。
(4) 昭和58年11月7日現在、村において住所を有する連帯保証人を有する者であること。ただし、同日現在、村において住所を有しない連帯保証人であつても、村長が特にやむを得ない事情があると認めるときは、この限りでない。
(資金の種類及び貸付けの対象となる事業)
第4条 資金の種類は、生活再建資金及び事業運転資金とする。
2 貸付けの対象となる事業は、次の各号のとおりとする。
(1) 生活再建資金については、村における家屋の建築及び補修
(2) 事業運転資金については、事業の再建に必要な物品の調達等
(1) 基準単価は、1平方メートル当り20万円とする。ただし、実施単価がこの額に満たないときは、実施単価とする。
(2) 基準面積は、被害を受ける前の家屋の面積とする。ただし、実施面積がこの面積に満たないときは、実施面積とする。
2 事業運転資金の貸付額は、被害の程度に応じ村長が定めるものとする。
(貸付けの限度額及び貸付条件)
第6条 貸付けの限度額、貸付利率、償還期間、元金据置期間及び償還方法は、別表のとおりとする。
(借入れの申込み)
第7条 資金の貸付けを受けようとする者は、生活再建資金については、昭和59年度末、事業運転資金については昭和58年度末までの間で、村長が指定する期日に申込書(別記様式第1号)に規則で定める書類を添えて村長に提出しなければならない。
(貸付けの決定)
第8条 村長は、前条の規定による申込みがあつたときは、1ヶ月以内に貸付けの可否及び額を決定し、当該申込者に対し通知する。
(1) 建築確認通知書の写(但し、新築の場合に限る。)
(2) 決定の通知を受けた者の印鑑登録証明書
(3) 連帯保証人の印鑑登録証明書
3 第1項の契約の締結に必要な手続に要する費用は、決定の通知を受けた者が負担するものとする。
(償還方法の特例及び債務の減免)
第10条 村長は、資金の貸付けを受けた者(以下「借受人」という。)が災害その他の理由により償還が困難となつたときは、償還方法の変更を承認し、又は債務を減額し、若しくは免除することができる。
(貸付けの決定の取消し及び繰上償還)
第11条 村長は、資金の貸付けの決定を受けた者又は借受人が次の各号の一に該当するときは、貸付けの決定を取り消し、貸付契約を解除し、又は既に交付した資金の全部若しくは一部を期日を定めて繰り上げて償還させることができる。
(1) 偽りの申込みその他不正な手段により貸付けを受けたとき。
(2) 資金を貸付けの目的以外の目的に使用したとき。
(3) 償還を怠つたとき。
(4) 事業運転資金借受け後営業を廃止し、又は引き続き6月以上営業を中止したとき。
2 借受人は、資金の全部又は一部を繰り上げて償還することができる。
(違約金)
第12条 村長は、借受人が償還期日までに償還を怠つたとき、又は前条第1項の規定により繰上償還させる場合において償還期日までに償還を怠つたときは、償還すべき日の翌日から償還の日までの期間の日数に応じ、償還すべき金額につき年10パーセントの割合で計算した違約金を徴収する。ただし、村長が特別な理由があると認めるときは、この限りでない。
(抵当権の設定)
第13条 生活再建資金の貸付けを受けて建築する建物について、借受人は村に対して第1順位に抵当権を設定しなければならない。ただし、抵当権の順位は住宅金融公庫資金及び東京都住宅建設資金等の貸付けを受けて、既に当該建物について抵当権を設定しているときは、順次次順位とすることができる。
2 前項の抵当権の設定について、村長がやむをえないと認めたときは、この限りでない。
3 抵当権の設定の手続に要する費用は、借受人が負担するものとする。
(保険への加入及び質権の設定)
第14条 生活再建資金の貸付けを受けて建築する建物について、借受人は、資金の償還完了に至るまでの期間中、当該資金に相当する額以上の火災保険及び災害保険(以下「保険」という。)に加入しなければならない。
2 借受人は、前項の規定による保険の保険金請求権について、村に対して質権を設定しなければならない。
3 村長は、保険事故が発生したことにより保険金の交付を受けたときは、当該交付を受けた保険金額から生活再建資金に係る残債務額を控除して得られる残額を借受人に返還するものとする。
(譲渡の禁止等)
第15条 生活再建資金の貸付けを受けて建築する建物について、借受人は、貸付資金完済前に他人に譲渡し、又は貸付けの目的以外の用途に供してはならない。ただし、村長が特に必要と認めるときは、この限りでない。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(昭和59年5月21日条例第8号)
この条例は、公布の日から施行し、昭和59年5月1日から適用する。
別表
貸付金の種類 | 区分 | 限度額 | 貸付利率 | 償還期間 | 元金据置期間 | 償還方法 |
生活再建資金 | 家屋の新築及び補修 | 新築の場合は1,000万円、補修の場合は500万円。新築・補修の両区分の場合は、夫々の限度額の範囲で且つ合算で1,000万円を限度とする。 | 年利3パーセントとする。但し、3パーセントの利率を超える他の制度融資と併用する場合は、当該制度融資の融資額を限度として無利子とする。 | 20年以内(据置期間を含む。) | 2年 | 元利均等年賦又は元利均等半年賦 |
事業運転資金 | 事業の再建に必要な物品の調達等 | 100万円 | 年利3パーセント | 5年以内(据置期間を含む。) | 1年 | 同上 |